活動開始

永井機械製作所では、業績改善への取り組みとして2009年10月に全社レベルによる 新生永井機械製作所緊急対策委員会を発足。現在も続く改善活動の軌跡をご紹介します。

2009年

委員会発足
製造業の構造的不況により弊社も業績の悪化が懸念されたおり、会社存続危機の緊急事態とみなし、それを打開すべく、全社レベルによる新生永井機械製作所緊急対策委員会を発足。翌年3月までの期間限定プロジェクトとして、新たな永井機械製作所を目指し動き出す。

決起
大利根工場にて従業員全員が改善実績のある経営コンサルタントと初顔合わせをし、業務改善へ取り組んで いく決起を行う。この日から、新生永井機械製作所の努力と汗と涙の改善活動が始動する。

5Sの実践
後の5S推進プロジェクトメンバーにより、自発的な製造現場の改善を開始する。手始めに5Sの整理を実行。 組立作業エリアの不要な工具・器具・機械・備品を選別し廃棄する。廃棄物はトラック四台分にも及び、大量の 無駄なモノが作業の邪魔をしていたことを実感する。これにより、以前よりも小さい作業スペースでも問題なく作業ができる環境が整い、工場全体の空間にゆとりができた。残念なことに、後の5S推進プロジェクトメンバー以外には自発的な協力者がおらず、改善推進の難しさを痛感する。

社内からの疑問の声
製造部長を中心に改善のスピードアップ化計画を開始する。お金をかける計画とかけない計画に分けて立案実行。また、情報共有を促進するため、日々の改善を報告する週末ミーティングを開始する。ここで、㈱永沢工機様工場見学会に参加出来なかった従業員から、「何のための改善活動なのか」という疑問の声が上がり、意思の疎通が取れていないことに気づく。

社内への浸透

改善効果の実感
組立作業エリア改善の第二弾として、組立作業現場の管理課部品棚の移設を行う。移設作業に当たり、再び、改善への疑問視する声も上がったが、迷わず決行した。当日、社長が休日にもかかわらず手伝いに来て頂けたことで士気が上がった。この部品棚の移設により上工程から下工程までの製造ラインに流れができ、今まで如何に無駄な動きをしていたかを実感する。また、作業区画が改善活動開始前の半分になり、工場全体の空間がより広くなった。特に、工場全体の見通しが驚くほど良くなり、改善の素晴しさを実感する。

人事異動
緊急対策委員会による人事異動が発令される。これにより、部署を越えた協力体制を構築する目的で、従業員数名の配置転換を行った。該当従業員は、戸惑いながらも会社が本気で改善の決意を行動に移している事実から、辞令を受け入れた。そしてこのことが、改善を疑問視する従業員の心を解きほぐすきっかけとなった。

「声かけ運動」開始
自らの意思を持って挨拶をする「声かけ運動」を開始する。誰もが挨拶すると恥ずかしそうにしたが、コミュニケーションの促進を理解し、反対者も無く、誰もが受け入れてくれた。挨拶をするという当たり前の行為が、改善を通して、社内の雰囲気が以前と比べて明るくなっていくことを実感する。

プロジェクトチーム発足
大利根工場の改善活動を今以上に定着させるため、「5S推進プロジェクトチーム」を発足する。整理・整頓・清掃・清潔・躾が組織文化に当たり前のように浸透している組織を目指して動き出す。まずは、工場内の2Sとして、整理、整頓の徹底から着手する。

意外な改善点
川口本社二階の営業課を、来客対応の効率化を図るため一階へ移動する。ユーザーサービス体制には定評のある弊社であっても、意外なところに穴があることに気づかなかった。入り口をくぐった瞬間に笑顔でお迎えする当たり前の対応に、多くのお客様からお褒めの言葉を頂いた。ちょっとした改善の大きな効果に営業課一同が、改善の真意を実感した。

従業員からの反感
5S推進プロジェクトの一環として、経営コンサルタントと全従業員にて大利根工場内を回覧し、更なる工場内改善のレクチャーを受け、要改善箇所のマーキングを行う。再び、一部従業員から粗探しだとの強い反感の声が上がったが、会社再生のための改善と信じて実行する。

5Sの徹底

2010年

あるべき姿
新年明けの業務改善イベントの実行として、「5S推進プロジェクト」を成功させるため「5S定着化システム」の運用を開始する。これは、製造現場各箇所に写真撮影を行い、「あるべき姿」の確認を行うチェック表を作ることから始めた。社内の理解度については50%程だが、当初から比べると理解者は確実に増えた。

小さな工夫
大利根工場二階の事務所を一階の生産管理課事務所内へ移動する。これにより来客などの対応がスムーズとなり、受付時の混乱を解消することができた。この、些細な工夫にも、改善の効果を実感することが出来た。

工場の名称変更
市町村統廃合を受け、地名由来であった大利根工場の名称を、ナガイ・テクニカル・プラント(以下、テクニカル・プラント)と変更した。さらに、機械的な名称を付けていた第一機械工場名称を「ボディ工場」へ、第二機械工場名称を「パーツ工場」とした。この名称変更は、社内コミュニケーション促進の一環として、応募&投票にて決定した。この、自分たちで名付けた「ボディ工場」と「パーツ工場」に対しては、愛着が湧くとの声が社内から上がり、コミュニケーションが活発化していることが理解できた。

実行部隊の発足
川口本社にて、本社メンバーによる「5S推進プロジェクト」実行部隊を発足。これにより本社事務所内の改善を開始する。3月は不要なものを捨てる整理、4月は必要なものを配置する整頓を掲げた。

工場内回覧
テクニカル・プラントにて「5S推進プロジェクトチーム」による月二回程の工場内回覧を開始する。改善を始めて5ヶ月たったが、この時点で5Sに対する感覚はまだ薄く、改善案も少ない。しかし、この間に工場内の環境は劇的に変わった。その小さな成功を頼りにプロジェクトチームの改善に対する決意を再認識する。

従業員からの提案の増加
改善活動に当たって、改善提案用紙を作り全従業員からの提案を集めているが、記入様式の簡素化を図り、提案件数の増加を狙う。僅かずつではあるが提案件数が増え始め、改善が必要と思われる箇所が従業員の目線で見えるようになってきた。ほんの少しずつ、改善への参加者が増えてきた。

職場に対する意識の変化
テクニカル・プラントにて、全員で工場区画(工場内マップ)の話し合いを行った。これは、大判の模造紙に手書きで各工場の小エリア分けをし、そのエリアに名称と、担当者を書き入れ、工場内イメージの共有化を狙う目的とした。話し合いは大いに盛り上がり、皆の中に漠然としていた、働くだけの職場が、楽しく働ける職場イメージとして感じられるようになった。


改善前


改善後

大きな変化

記念日
2010年3月6日土曜日、工場全体の業務を止め、一日清掃を実施。ここで、大きな進展があった。皆が意欲的に、誰もが率先して参加した。社長も一従業員として参加して頂けた。これにより、全従業員のモチベーションが高まったように感じた。改善を始めてから6ヶ月、目に見えるハードの改善から、目には見えないソフトの改善の効果が見え始めてきた。プロジェクトチームの志が報われる大切な記念日となった。

工場内マップ完成
工場区画図を基に、工場内マップ初版完成。このマップ作成の目的は、ナガイ・テクニカル・プラントへ工場見学に来ていただくお客様の為に、工場内案内用として作成した。従業員の心のこもった手作りであることがポイントとなる。出来上がりの感想として、皆いい感じで満足していた。

経産省の視察
経済産業省関東経済産業局局長が来社され、工場案内を行う。御来社の趣旨は、グループ会社の永井機械鋳造㈱が中小企業庁2006年元気な中小企業300社に選定されており、2010年の視察に対し永井機械グループである当社もセットで視察要請したところ、その願いが聞き入れられた。当社の視察感想として、生産効率向上活動に評価をいただいた。また、グループ二社の評価として、両社とも5Sの行き届いた工場として好印象を持って視察を終えられた。5Sの評価が国家機関から認められたことが6ヶ月間頑張ってきた従業員全員の大きな励みとなった。

長野エクスプレス
長野県ユーザーをサポートする長野エクスプレス定期便の車両を新型車に買い換えた。これは、車両の排気量と車両代の支払い方法を見直し、経費削減を狙う目的で行った。以前の弊社ならば、その様なことに興味が薄かった。このようのことにも無駄を排除しようと思考する改善の成果が現れていることを感じる。

プロジェクト解散
2010年3月31日。会社存続危機の緊急事態として発足した、翌年3月末までの期間限定プロジェクト、「新生永井機械製作所緊急対策委員会」を当初の予定通り、半年間のプロジェクトの一区切りがついたと判断し、解散。半年前、会社が倒産するのではないかとの不安から始まった改善活動が効果を上げ、危機的状況を回避した社内は、半年前とは比べものにならないほど明るくなった。

改善活動を当たり前の文化に
テクニカル・プラントのパーツ工場にて、改善の効果は誰の目から見ても明らかな状態となった。この改善活動を組織の当たり前の文化に浸透させるために、工場内の5S回覧を開始する。これを始めるにあたり、各作業場所の5S状態を認識するために、5S登録表を作成した。定期的5S回覧は、この5S登録表を基に、5Sが徹底されているかを評価するものである。以前から見て、誰もが率先して5Sを励行する状況となり、改善に対しての高い意欲を感じる。 
侍プロジェクト

活動の加速

工場見取り図作成
テクニカル・プラント工場マップを基に、避難経路・消火器設置場所を知らしめる工場見取り図を作成した。なかなか良くできていると、従業員からの評判は上々。これも、改善提案から上がってきた施策である。また、職場への愛着増を狙って、エリア毎のシンボルカラーを決定した。しかし、この改善への浸透度はいま一つ薄いようだ。

塗装作業の改善
部品・製品塗装の改善に着手。今まで、テクニカル・プラントでの塗装精度は担当者の判断にゆだねていた。それにより塗装のムラが生じ、戻り作業が発生していた。これを改めるため、製品の塗装仕上がり具合をお客様が望む基準として設定し、それを合格判定基準とした。この改善効果は意外に大きく、塗装作業による無駄・ムラが激減した。

新体制
5S登録表による回覧チェックの運用がいま一つのためにそれを廃止し、5Sプロジェクト新体制を発足した。これは毎週火曜日に新5Sプロジェクトによる工場内の回覧を通して、回覧時の気づきの吸い上げを実施した。事前に社長より全体へきちんとした告知して頂き、気づきがスムーズに上がるようになった。この新5Sプロジェクトによる回覧では、改善やその提案など、皆が率先して行うようになり、ここでも改善の手応えを感じる事が出来るようになった。

自発的な5S
通常業務が多忙となり、新5S推進プロジェクトチームによる工場内回覧が出来ない日が続き、残念ながら新5Sプロジェクトによる工場内回覧が自然消滅してしまう。しかし、一人ひとりの改善に対する志が浸透していたために、自発的な5Sが継続される組織となり、工場内はいつも綺麗な状態が維持できるようになった。

戻り作業の激減
製造後工程での手直し撲滅を目標に、各工程間の品物引き渡しチェックを開始する。その流れは、組立→塗装→組立→電気・調整という各工程間の、引き渡し時における各要所にミスが無いかのチェック行うことにある。この様な当たり前のことを作業の流れに組み込むことで、ケアレスミスの素が発見でき、戻り作業が激減した。

社長が身近な存在に
テクニカル・プラントにて、一階の生産管理課と二階の設計課の連絡や移動のスピードアップを目的に、二階の設計課を一階事務所内へ移動する。また、それに伴い、社長も二階の執務室を出て一階事務室に机を置き、皆と肩を並べる配置となる。これにより、縦割りだった生産管理課と設計課のコミュニケーションが活発となり、社長が身近な存在となり、社内の雰囲気がとても良くなった。

生産計画の精度向上に向けて
テクニカル・プラント製作課にて毎朝、当日作業の内容を確認するミーティングを開始した。これにより、製造課各課員の製造進捗度が共有できるようになり、生産計画の精度向上を狙えるようになった。これは、改善を通したコミュニケーションが活発になった効果がもたらしたものである。

改善に対する前向きな姿勢
前記した、2010年2月に実施の、「大利根工場」名称から「ナガイ・テクニカル・プラント」に変更した際に、同時に工場名を変更した、「パーツ工場」(旧第二工場)を閉鎖し、「ボディ工場」(旧第一機械工場)と統合し、新たに「機械工場」とした。社内コミュニケーション促進の一環として、応募&投票にて決定し、愛着が湧くとの声が上がった経緯があったが、日々改善を実行している真っ只中の弊社だからこそ、新たな必要改善策として迷わずに断行した。ほんの些細なことではあるが、社員の「改善」に対する前向きな姿勢の表れであることに間違いない。

サービス課移転開始
改善を通して、設計課と生産管理課のコミュニケーションが向上したのを機に、サービス課も取り込もうという考えから、テクニカル・プラントへ本社サービス課を移転させる計画がスタート。二階更衣室、会議室のパーテーションを移動し、サービス課エリアを確保した。社内が好転していく感覚を実体験している設計課と生産管理課員たちの士気はかなり向上している。

終業ミーティング
製作課にて工程進捗確認、コミュニケーション向上、5S活動時間確保の為、終業ミーティングを開始。改善を通した職場環境の好転を崩したくないという各課員の志が、自発的に終業ミーティングというさらなる改善行為へと発展していることが、改善を始めたことによる大きな成果と言えるだろう。

課を越えた結束
本社サービス課、テクニカル・プラントへ移転完了。これにより、設計課、生産管理課、サービス課がテクニカル・プラントへ集結した。さらなる改善と、コミュニケーション向上を目指すべく、各課員一同が志を固めた。

5Sの定着
テクニカル・プラントの5S全体回覧を実施。各従業員の率先した行動により5Sが定着していることを確認する。やれば出来る。成せばなる。その志に全員が共鳴していることが理解できた。

作業工程の見える化
さらなる改善を目指し、工程遅延の撲滅を目的とした週次の工程進捗管理ボードを一階事務所前の壁に設置し、全作業員に対し、予定/変更/遅延の見える化を図った。この見える化を通して、自主的な質問や打ち合わせなどのコミュニケーションが活発化した。ほんの些細な工夫でも、大きな効果を生むことが、ここでも確認できた。

日々是改善
ここまで来ると、改善活動は弊社の企業文化として浸透し始めていることが伺える。「日々是改善」を念頭に活動し、改善提案を基に、小さなこと、些細なことでも必要とあらばこつこつと積み上げていく改善を、現在も進行中である。 
侍プロジェクト